2021年2月 朝日新聞(大野択生)より
FNN(フジテレビ系ニュースネットワーク)と産経新聞社による合同世論調査で架空のデータが入力されていた問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、フジテレビが取り消した一連の放送18本について「重大な放送倫理違反」とする意見書を公表した。電話による世論調査業務の委託契約を結んだ調査会社「アダムスコミュニケーション」(東京都品川区)は同5月、両社に無断で調査対象1千人分のサンプルの半数を「日本テレネット」(京都市)に再委託。同社のコールセンターの現場責任者が、実際には架電していない架空の回答を作成した。不正は19年5月~20年5月の14回全てで行われ、総サンプルの12・9%が不正データだった。同委員会がこれまでに40回出した意見や見解、勧告のうち、「重大な放送倫理違反」を指摘したのは今回で4例目。
メディアリテラシーなどという言葉が空々しく思えるほどインターネットが普及し、データ漏洩や監視が当たり前の時代になってもこのようなデータ捏造が行われていることに驚きました。自助努力としての倫理観の維持が行われない限り、既存のメディアは内部から崩壊するでしょう。医学論文などのエビデンスの創出もまたしかり。
統計処理は優れた手法です。開票率0%のサンプル数で当選確実を言い当ててしまう優れた技術です。しかし、いかに優れた手法でも、そこに入力されるデータが虚偽のデータであっては、まったく足をすくわれます。現在のところ、単純なコピペでもない限り、元データの真偽を確認するのは容易ではありません。始末書書いて一件落着ではなく、システムとしての改善策を委員会として講じてほしいと思いました。
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