2021年2月18日木曜日

コロナ禍における健診と検診

検診「がん検診」「結核検診」など特定の病気を早期に発見して早期に対応する検査です。それぞれ「がんの早期発見早期治療」「感染蔓延の予防」を目的として実施されます。 

いわゆる「健康診断」です。健康の程度を知る。健康という言葉を使う健診は健康の程度を知ることを目的としています。健康の程度を調べ、病気の危険因子を早く見つけることを目的としています。簡便なものでは身長や体重測定です。健康の傾向を知って「生活習慣の改善・是正」へ繋げることが目的です。もちろん対応が必要な場合は要精査や要治療と判定されますが、目的は健康の程度を判断し、生活習慣の改善・是正につなげることです。

健診や検診はそれを知るためにコストとリスクを承知したうえで実施されます。ですから、得られる利益とそれに伴うリスクとコストのバランスの上で行われるべきです。利益とは病気の早期発見・あるいは予防ですので、そもそも存在するはずのない病気を探す事は意味のないことです。例えば極端なことを言うと男性に対して子宮がん検診をする・存在するはずのない子宮がんの発見を目標に検診を行うことなどです。

肺がん検診の場合は、若い方、特に子供さんに発生する事は極めて稀ですので、若い世代に肺がん検診を広げることは被曝のリスクと経済的コストのほうが大きくなってしまいます。一方、高齢者ではがんの発生が増加しますので、被曝リスクとコストに対して発見できるメリットが増加します。したがって検診の対象となります。

コロナ禍では不要不急の代表的な事例として検診・健診が挙げられました。しかし、いつもやっていることをやらないと言う事はそれ自体がリスクを発生させることです。定期的な点検をしないリスクです。がん検診は定期的に行うことで早期発見の効果が得られます。コロナ禍により、経年的に行っていた検診のリズムが変わることが統計的な変化に現れてくるものと思います。また、生活習慣の変化による運動不足と不摂生などがあります。健康は100%か否かと線引きできません。0リスクはなかなか望めません。今現在どんな状況にいるのか、今は100%から何%ぐらい低下しているのか? その程度を知ることが将来を考える上で重要なのです。コロナ禍による行動変容が個人の健康の程度に影響を及ぼしています。

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